よく、ITの会社では営業担当者と開発担当者の対立みたいなお話が出ることがありますが、僕は開発も営業の一部だし、営業も開発の一部であり、本来の目的は一緒なのだからそもそも何を担当というのはただ得意なところを分担しているというだけで立場の差はない、ということを全員が理解するということが一番大事だと思っています。

つまり、開発者は

・作っている商品がどういう風にセールスされるのか。そもそも売りやすいのか。

・その商品があることで、次にどういう仕事につながるのか。

想像しなければならないし、営業担当者は

・今ある商品のどのようなところが評価されているのか、どのようなところが不満に思われているのか。

・今後どういう商品開発を進めていくのがよいか。

考えなければならないということです。製品開発の時点で営業は始まっているし、営業は製品開発の最前線でもある。売りにくい商品は売れにくいし、お客さんとの接点で価値ある情報が手に入らないといい開発はできません。

なので、そこで要求される頭の使い方というのは本質的にはそう大きく変わるものではありません。専門知識や対人スキルの要求されるバランスが違うだけです。

結局のところは「相手(と自分)の立場を考えて動く」という当たり前の、でもすごく難しいことに集約されちゃうのですが。

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なんか盛り上がってる話題なので、ちょっと書いておきます。

結論としては、(一般的な企業やそれに類する団体・個人の活動に関するサイトについては)デザインもマーケティングコンテンツとしてちゃんと位置づけされていないといけなくて、その範囲では間違いなくデザインは重要だし、逆にその範囲を超えていると意味がない、と思っています。

これは家や建物の内装や装飾なんかも同じですね。

だから、たとえばサイトへの来訪者が装飾を期待していない場合(2ちゃんねるとかたぶんそうです)はそんなものない方がいいし、ないことこそがデザインとい言えるでしょう。

逆に、アパレルとかカフェとか、BtoCの企業とかのサイトだったらデザインでちゃんと世界観表現できてないと、明らかにダメでしょう。

また、ついさっき書いた内容とも重なるのですが、デザインがいいという理由でサイトを見に来る人は稀です。いても、そのサイトが想定するお客さんである可能性は低いです。サイトに来る人は大抵は、何か知りたい、見たいという目的があって来る。デザインの役割はそのサポートです。つまり、アクセス数かコンバージョン率かというと、基本的に後者にだけ効いてくると思っていい。

なので、優先順位としてコンバージョン率よりアクセス数を上げたいなら、デザインは(そのタイミングでは)そう重要でないと言えます。コンバージョン率を上げたいという時に、重要になる。そこはちゃんと抑えないといけないと思います。

 

でもまあ、余談になりますが、ひとつ確かなのは「裏でどんなシステムが使われているかはどうでもいい」ってことですね、サイトを見に来る人にとっては。それが大事になるのはサイトオーナーさんにとってです。アクセス数を上げたい、コンバージョン率を上げたい、裏方での業務効率を上げたい、そういったことを考えた時に、大抵システムは足を引っ張ります。

そこで足を引っ張らずに、よりいろんな可能性を模索できるようなシステムが、いいシステムだと思っています。

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若干補足。ここでデザインとは、一部ごっちゃにしてしまいましたが狭義のビジュアルデザインを想定しています。広義のデザインとなると、ビジュアルデザインを放棄するということ自体がデザインとなり得て話がややこしくなりますから。

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昨日は、IT飲み会でもお世話になっているサムシングファンさんのUst番組、企業防衛軍に出演させていただきました!薮本さん、本当にありがとうございました!

ちょうど僕の前の週から対談形式からプレゼン形式に変わったのですが、Ustでプレゼンって難しいですね。セミナーと違って、どれくらいの人が、どんな人が、どんな風にしてみているのかわからないので、感覚としてはブログ書くのに近いような感じです。

今まで話させてもらったセミナーでは大きく分けて

・Web業界の人向けの、SOY CMS/SOY Shopのプレゼン

・IT業界やIT業界に興味がある人向けの、IT業界特有の?経営上の問題についてのプレゼン

の二種類だったのですが、今回はどういう人向けか想定できなかったため、ソフトウェアパッケージベンダーの立場から、Webサイトを作ろうと制作会社やコンサルティング会社に発注する人が気を付けたほうがいいと思うポイントをお話させていただきました。

基本的にはSOY Shopの公式サイトで配布している資料の内容から専門的なことを取り払って、背景だけお話したような感じです。

つまり、

・Webサイト(ホームページ)を作るときは継続的改善を前提としないといけない。

・ある程度アクセス数がないと、正しい仮説は立てにくい(たぶん、少ないデータからでもより正確な仮説と対応方法を考えられるのが腕の良いコンサルタントなんだと思います)

・売上は、アクセス数×コンバージョン率。そのどちらから先に上げるか、もしくは同時に上げる方法を探すか、考えなければならない。

・Webサイト制作時には、デザイン、コンテンツ、更新のしやすさ、アクセス数など、数多くの考えなければならない要素があって、それらはそれぞれ因果関係がある(たとえば良質のコンテンツがあればアクセス数とコンバージョン率両方が上がる、更新のしやすさを確保しないとコンテンツ量が増やせない、システムが複雑になると後からの変更が難しくなる、など)。

こういったことを考えて、予算やスケジュールの最適配分をしないと余計なコストがすごくかかりますよ、と。CMSの導入が直接問合せ増につながるなんてことはまずないですから、予算が限られている場合にCMSにそれがとられてコンテンツに回らなかった、なんてことがあれば本末転倒です。

特に集客の部分と、コンバージョン率改善の部分と、デザインの部分と、それぞれ依頼する業者が別々になるような場合は発注者側が「どういう目的で、どういうビジョンで、そのサイトを作りたいのか」というところをしっかり持っていないとなかなかうまく行かないように感じています。

以前も何回か書いたように、今後はこの「何のためのWebサイトか」というのが非常に問われる時代に入っているように思います。

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一昨日は、母校の灘校の土曜講座でお話してきました。僕の時代は土曜日も午前中は普通に授業があったのですが、今は休みになっていて、成績にはカウントされない講座が開講、希望者は受講できるということになっているようです。

内容は色々ですが、OBが話しにくるケースが多いみたいです。で、ご縁があって僕も参加させてもらうことになったのです。

中学生、高校生相手に180分何を話そうかなとかなり悩んだのですが、前に京都のIT飲み会でお話させてもらった内容をベースに、社会のことを知らない生徒さんでもわかってもらえるよう基本的な事項の説明を加えた内容にしました。ざっとこんな感じ。

・僕の今までの仕事をしてきた経緯

・日本情報化農業研究所のビジネススキーマ(システム開発を軸にした他社への投資というのがなぜ可能か)

・農業分野においてあげてきた研究成果と、なぜその成果をあげることができたのか

・IT分野においてあげてきた研究成果と、なぜその成果をあげることができたのか

・大企業や大学などがどうしてそういった成果をあげられなかったのか。あげられないのか。

あとは歴史上の発明について、なぜその発明がその時代になされたのか、もっと前になされる可能性はなかったのか、ということについて簡単に考えてもらったりしました。

僕としては噛み砕きすぎたかな~と思っていたのですが、どうだったのでしょう。この歳になると高校で習ったのか大学で勉強したのかなんてあんまり区別ついてなくて、ちょっとその辺もうちょっと丁寧にした方がよかったかもしれません。

お話の機会を作ってくださった村岡さん、前川先生、当日色々フォローしてくださった高野先生はじめ灘の先生方、そして受講してくださった皆さんありがとうございました!

もらった記念品。このほかにもおせんべいをもらいましたが、それは朝食代わりになりました。謝礼は最初は被災地に寄付しようと思ったのですが、よく考えたら身近なところに寄付する方がいいやとそのまま灘校に寄付して帰りました。

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昨年、SOY CMSの次期バージョンを発表しますと告知しておきながら、それを中止しSOY CMSの開発を継続している理由を、今日はご説明しようと思います。

この件に関しましては、多くのユーザの皆様にご迷惑をおかけし、混乱の原因を作ってしまいましたこと深くお詫びいたします。

一定期間は様子をみようと決めていたのですが、実質的な判断から半年たち、そろそろちゃんと事情を公開しなければならないと思いこれを書きます。また、この問題は僕らと同じような技術開発型のベンチャー企業では同じ失敗をする可能性が高いと考えられますので、そういった方の一助ともなれれば幸いです。

・メジャーバージョンアップを行おうと考えた背景

そもそもなぜSOY CMSのメジャーバージョンアップを行おうと考えたかというと、かなりの数の導入案件につき、コンサルティングやカスタマイズといった形でかかわらせてもらい、今ある機能では対応が難しいケースがいくらか発生していたからです。なのでWeb制作に詳しい方の意見を聞いて、より守備範囲の広いシステムにしようと考えました。

・Web制作者の方にコミットをいただいたことによって発生した問題

しかし、それが問題の原因になりました。もちろん根本的には僕のマネジメントミスで、ちゃんと仕様確定についてイニシアチブをとっていればよかったのですが、現場の意見を優先させてしまった結果、このようなことが起こりました。

 

「自動車が生まれた時代に、自動車を作りたいと考えていたところ、高性能な馬車を作ってしまった」

 

具体的にはこのような問題が発生しました。

 

- 利益を生みにくいシステムになっていた

これは弊社の利益というよりはユーザ企業さん(制作会社も、サイトオーナーも)の利益を想定しているのですが、新しく開発していたシステムは、既存の業務のあり方を前提として、それを合理化するという発想のもと作られていました。既存の業務の領域を超えた提案にはもともとのSOY CMSのほうが対応力が高かったのです。となると、そういうシステムを使用することはすでに予算感、相場感のある仕事に対して予算圧縮の方向にだけ力が働きます。元のバージョンであれば、予算圧縮の力はかかるものの、浮いた予算を追加の提案に回して、より大きなサイトオーナーさんへの利益を生むということがしやすかったのですが、明確な「今存在する業務」を想定して作られているシステムは、その範囲内ではよいのですが、範囲外になると対応が難しくなるものでした。

予算圧縮の方向にだけ力がかかるシステムが本当に世の中のためになるのか?という疑問について、ならない、と考えざるを得ませんでした。有償ソフトであれば話は変わってくるのですが。

また、サイト制作だけでなくWebサービスへの応用を考えても、元のバージョンのほうが広がりを作りやすく、弊社自身はもちろんユーザ企業にとっても事業拡大のチャンスを作りやすいと思われました。

 

- 守備範囲が当初の目的に反し狭いものになっていた

Web制作に便利だと思われる機能を盛り込んだ結果、柔軟性は却って低下しました。結果、予算が十分にあるプロジェクトだと、元のバージョンベースでカスタマイズを行うほうがたぶんよいものができ、また、予算がないプロジェクトに使うには不要な機能が邪魔になることが予想されました。

守備範囲にはまればよいシステムにはなっていたと思うのですが、そういうターゲットと解決したいニーズが明確なシステムは有償販売されるべきものだと思います。

 

- 表現力に比べて機能過多であり、開発のコストが見合わない

元のバージョンと開発していたバージョンとを「それを用いてどういう表現ができるか?」という観点から比べた場合、その差は大してないか、元のバージョンのほうがカスタマイズのしやすさを考慮すると広いくらいでした。それに対して開発のコストは軽く数倍以上かかっていました。つまり、サイトオーナーさんへ提供できる価値に比べ大幅にコスト高なシステムで、そういったシステムをオープンソースで開発するというのは開発側の身が持たないだけでなく、利用者にとっても不具合の温床を提供することにつながります。それはつまり、リターンに見合わないリスクを押し付けるということです。

 

- 普通の「Webサイト更新管理システム」になっていた

SOY CMSの大きな特徴として、いい加減な、想定外の使い方にも対応しやすいシステムであるということがあります。それに比べ、開発していたバージョンは普通のWebサイト更新管理システムになっていました。もちろんSOY CMSが普通のWebサイト更新管理システムではないことはSOY CMSの弱点でもあるのですが、一方普通のWebサイト更新管理システムには良いものがすでにたくさんあります。

それを、うちみたいなベンチャー企業があえてリスクを取って開発することで、しかも無償で公開することで、だれが利益を得るんだろうか?と考えると、弱点はあっても世の中にある選択肢を増やせるシステムを作ることのほうが価値があると考えました。

 

このような理由から、SOY CMSのメジャーバージョンアップは中止し、元のバージョンの開発を継続することを決定しました。昨年末から、SOY CMS、SOY Shopともにリリースの頻度が上がっているのは、上記のような問題を経験し、やるべきこと、やってはいけないことの認識がはっきりできたことによります。僕らでしかできないソフトウェアを作ること。ほかにはない価値を生み出すこと。大袈裟ですが、それに向けて現在は頑張っています。

もちろんオープンソースライセンスのもと公開しているので、僕らが開発にかかわらないと決めても、開発を継続される方がいる限り新バージョンも開発は続きます。先に述べたことは、あくまで会社として、僕の価値観に照らし合わせて、方向性を考えて判断したことであって、違う価値観を持った方が違う判断をされることも当然だと思います。それに対して法的な権利関係を主張したりするつもりはありません(それはオープンソースで公開していることの理念に反することだと思います)。開発に当たりコミットしてくださった方には、僕が行った判断に対して理解してもらえないところがあるのもわかっています。ただ、会社のメンバーや取引先様、提携先様のことを優先して考えざるを得ませんでした。

 

本当にモノづくりの難しさについて考えさせられます。

・ユーザのニーズはちゃんと聞かなければいけない。けれど、軸はあくまで作る側から提案していかないといけない。聞いてわかるニーズというのは顕在化している問題なので、それの解決だけを考えていると新しい価値は生まれない。

・プロジェクトのイニシアチブはちゃんとそのビジョンを認識している人がとらないといけない。そうでない人も含んだ合議だと、軸がぶれてぼやけたソフトウェアが生まれてしまう。

これらの点について、オープンソースだと本当に難しい。優しい独裁者が必要と言われるのがよくわかりました。

先日、MikuMikuDanceの開発中止が話題になりましたが、無償で提供されるソフトウェアの場合は、本当に、だれが、だれのために、だれを幸せにするためにその仕様でそのソフトウェアを開発するのか考えないといけないなと強く感じています。

有償なら利益が上がればそれだけでも価値はあるのでしょうが・・・

 

失敗を糧に、今年度は飛躍の年にしたいと思います。

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