文化の値段
音楽の値段ってどうあるべきなんだろうか。
正直、僕は望む望まないに関わらず一般消費者にとっては無料のものになっていくと思っている。
以前、ある経営者の方にご指摘いただいたことなのだけれど、モノの値段はコピーにかかるコストに必ず落ち着いていく。
だとすれば、コピーが簡単なデジタルデータの値段はタダが適正だということになる。
うちの会社は、主力製品をオープンソースで無償公開している。機能自体は数十万、数百万するものとそう大きくかわらない、はず。じゃあどうやって収益を上げているかというと、ありきたりだけどカスタマイズとサポート。人の手を入れなければできない仕事というのは必ず発生するから、そこでお仕事をもらっている。
高価なCMSであっても結局はそれだけサポートやセールスにかかる人件費が乗ってくるわけで、無償化しても開発者だけで仕事が回せる分会社としての損益は大して変わらないんじゃないかと思う。
音楽や芸術も究極的には一緒で、ライブとか舞台とかそういうのはデジタル化の影響を大きくは受けないだろうし、録音でも良い質のものを作ろうと思えばそれなりにお金はかかるから、誰もお金を出さない→いい質のものができない→お金を出していい質のものができたら、差別化できて売れる、ということも考えられる。長い目で見たら創作活動自体が悉く絶望的な環境に置かれるということはないだろう。音楽でも映像でも、セミプロまでのレベルだと昔より今のほうが機材も安ければ発表の場も多いという点で恵まれているとさえ言える。回復不可能なダメージを一番受けるのはおそらく創作者ではなく、時代の波についていけない周辺事業者だ。
ところで一般の人がオペラやクラシック音楽の存続について議論すること自体、今っていい時代なんだな~って思う。昔は文化なんて基本的に貴族階級や資産家のものであって、そういう人たちが支えてきたものなんだから、一定数その文化を守りたい!という人がいさえすればいいはずで、社会一般で価値が広く認知される必要なんて無いはずなんだ。




