喧嘩両成敗の誕生
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先週移動中に読んでた本です。タイトルは喧嘩両成敗ですが、実質は中世の紛争解決についていろいろと事例を踏まえて解説されています(その結果、喧嘩両成敗法が生まれた、という構成です)。
僕が面白かったと感じたところを二つ挙げておきます。
・日本中世では、一人の死者に対して相手方に一人の死者があれば引き分けという感覚があり、そこには身分の差を超越しているところがあったらしい。(主人が死亡し、それに対し相手方の家人などが死亡した場合でも、死者の数が釣り合えばそれで引き分け、とされることがあったらしい)
・集団同士の紛争では、きっかけを作った当事者でなくとも集団内で身代わりの犠牲者を立てれば済むことが多かったらしい。
いずれも、現代の日本とは言われてみれば通じる面があるような、かといって全く違うような、という感じです。
ただ少なくとも、根本的なところ、名誉感覚とか命の重さとかそういった部分は現代人とは全く似ても似つかないものだと考えてよいと思います。
前も書いたことのように思いますが、歴史を学ぶときには、つい「同じ日本人だから自分たちと同じような思考をしていたのだろう」という推論をしがちです。特に「南京事件はなかった」とか言ってしまうような人は、「自分は日本人である」→「自分は(もしくは自分が知っている日本人は皆)そんな残虐なことをしない」→「日本人はそんなことはしない」→「捏造だ!」というナイーブな思考をしている気がしてなりません。そういう風に考えてしまわないよう、こういう価値観の変遷を追える本は一読の価値があるように思います。
ところで本書に過失相殺は日本独特の制度、という記述がありますがWikipediaにはローマ法起源の制度ってありますね、実際はどんな感じなんでしょう?