2010年05月05日
平安朝の女と男―貴族と庶民の性と愛
最近読んだ本の感想でも。
基本的に女性学とかやってる人は苦手なんですが、それを差し引いても興味深い本でした。
女性学がなぜ苦手かというと、学問を名乗っているにも関わらず、やっている本人の身体性に強く束縛されているからです。研究という視点から考えれば自分以外の全ての人はただの観察対象で、性別に感情移入すべき理由は無く、それは絶対にしちゃいけないことなのですが、女性学はそこからのスタートしか無いのが実際です。ライオンの群のメスとオスとの力関係を観察するのに、片方の性に感情的思い入れがあって正しい結論は得られるでしょうか?
なので本書も読む際には著者の感情的バイアスに気をつけて読まないと本質を見落とします。単に引用されている文書の著者が男だから、というだけの理由とも思われる部分を男性優位の証拠としていたりします。
ただ、それでもこの本面白い内容が多いです。
・現代人と昔の人とでは根本的に価値観が異なることがわかりやすく説明されていること
・平安朝期の性関係に関する文献がわかりやすく、テンポよく紹介されていること
というだけで、読む価値があると思います。

